現在沖縄県では、東村にお住まいの小学生・中学生を対象に、オンライン学習塾サービスを提供する取り組みを支援しています。
このオンライン学習塾サービスの特徴は、自宅でタブレットを用いて個別指導を受けられる点にあります。オンライン上の会話は先生と1対1なので、周りの声や目を気にせずに質問できます。また、自宅で受講できるため部活とも両立しやすく、保護者の送迎も必要ありません。
今回、このサービスを活用しているご家族と東村の教育委員会担当者にお話を伺いました。
- 金城美鈴さん(右):東村教育委員会 係長
- 宮城優楓(ゆか)さん(中央):利用者本人 東中学校2年生
- 宮城哲也さん(左):保護者
ー こんにちは、今日はよろしくお願いします。まずはじめに、このオンライン学習塾のサービス内容を教えてください。
金城さん
はい。タブレット内で1対1の双方向型オンライン指導が行われる形となっています。生徒は画面上で先生と問題しか見えないようになっているため、集中して受講できます。2024年の8月から始まったコースでは、今期末までの間に全部で30回の授業を予定していて、現在21名の子どもたちが受講しています。
現在提供されている授業は、小学5・6年生が国語と算数、中学1・2年生が英語と数学、中学3年生が国語・英語・数学です。それぞれ週に1コマずつ受講します。
受講に必要なテキストや模試の代金は小学5年生〜中学2年生までは12,000円、中学3年生は15,000円となっています。タブレットやタッチペンは無料で貸し出されています。
まず始めに個別指導を行うにあたってその子のレベルを知る必要があるため、入塾時に学力テストを行い、なるべく同じレベルの人たちをグループにして進めるというやり方です。そのうえで基本4人から6人に対して1人の講師をつけています。
ー では次に、東村で実際にオンライン学習塾を利用されている宮城さんに話をお聞きします。このサービスはどこで知りましたか?
宮城哲也さん(以下 哲也さん)
東村教育委員会からのお知らせの中に、このオンライン学習塾のチラシがありました。もともと娘が小学校6年生の時からオンライン学習塾を利用していたので、今年も実施されるのであれば利用したいと思っていました。
ー 今まで塾に通ったことはありますか?
哲也さん
東村には、オンライン学習塾以外の塾はありません。小学6年生からこちらの塾を利用しています。
ー 今回のオンライン学習塾の利用環境や授業の進め方について教えてもらえますか?
哲也さん
個々の家庭でタブレットを使って授業を受けます。タブレットは無償で貸し出されているんですが、これには通信契約も含まれています。あと、本の教材があるので、利用者の負担としてはテキスト代と模試代くらいです。それ以外の負担はありません。
授業では、タブレットを使って自分でテスト問題を解いていきます。分からない問題で手が止まると、画面の向こうで先生が見ているので「どうしたの?どこが分からないの?」とその場で解説してくれます。分かる問題は自分でサーっと全部やってしまって、終わった後に先生が振り返りのようなかたちで「ここは良かったよ」「ここはちょっと違う」というふうに教えてくれます。
先生は複数の生徒と同時にオンラインで繋がっていますが、教えてくれる時は他の生徒との音声や画像は全部オフにしてあるので、基本的に1対1でのやりとりです。
画面に先生が映るのですが、オンオフができるので、最初に問題を解く時は問題だけを大きくするなどして使います。そして画面に解答を書くと、それがリアルタイムで先生に見えるようになっています。
テスト問題の形式になっているので入試に備えられます。また、模試が定期的にあり、本人のレベルに合わせた指導をしてもらえます。行きたい学校も第1希望、第2希望と最初にアンケートを取ってくれて、志望校のレベルに合わせて調整しながら教えてくれます。
金城さん
子どもたちが画面に解答を書いて、先生が丸つけしていくという感じです。そして、生徒がつまずいたり間違っているところがあれば、画面上で指導が入ってきます。
ー 現在受講している科目、受講頻度、授業の長さなどを教えてください。
優楓さん
週に2日受けています。月曜日に数学、木曜日に英語です。授業はどちらも19時50分から20時50分までの60分です。
哲也さん
その他にも映像授業というのがオンデマンド配信であって、単元ごとに講師が解説しているものを国語、数学、英語、社会、理科の5教科全部観られるんです。だから塾がない曜日もタブレットを広げて自分で勉強できるし、分からない単元があればそれを利用できます。
ー 実際に受講してみて良かったと感じたことがあれば教えてください。また、分かりやすさについてはどうですか?
優楓さん
分からないところがあったりつまずいていたら、先生がすぐに気づいて教えてくれるのでやりやすいですし、時には雑談も入るのでリラックスできます。集団指導と違って1対1なので、他の人のことを気にせず気軽に質問できるのも良いです。
哲也さん
そういえば、入塾の際に希望の先生のタイプも事前に聞かれましたよ。優しい先生であればいいなと娘は言っていました。
それから、タブレットを持ち運べばどこにいても授業を受けられるのが良いですね。提供されているタブレットは通信契約も付いているので、Wi-Fiがない場所でも使えます。冬休みに宮古に行く予定があったんですが、「タブレットを持って行けば向こうでできるよね」ということになりました。時間さえ合わせればどこにいても授業を受けられる、というのも大きなメリットだと思います。
ー 使ってみて困ったことや、分かりにくいところはありますか?
優楓さん
分かりにくいというのはないですが、通信状況でたまに先生の声が聞こえなくなったり、途中でタッチペンの充電が切れたりすることがあります。
哲也さん
音声が途切れることはこれまでに2回ほどあったんですが、すぐに私のところに「音声は聞こえてますか?」と電話連絡が来るんですよ。聞こえない時はタッチペンで筆談するなど、すぐに対応してくれました。
ー このオンライン学習塾を利用して成績は上がりましたか?
優楓さん
はい、上がりました。
哲也さん
数学の評価が4から5に上がりました。それ以外の科目はもともとほぼ5だったのですが、英語に関しても、中学生になっても成績が下がっていないので成果としては良い傾向ですね。
ー 学習に対する意識や学習習慣は変わりましたか?
哲也さん
家で1対1の授業を受けられるので、分からないことをその場で聞けるようになったことは大きいですね。
ー これからも利用し続けたいですか?
優楓さん
使い続けられるならぜひ使い続けたいです。
ー オンライン塾を他の方にも勧めたいですか?
優楓さん
はい、中学1年生の人たちに勧めたいです。
ー 今後の学習目標を教えてください。
優楓さん
早く自分の行きたい高校を見つけて、そこに向けてがんばりたいです。
哲也さん
進学先の候補としていろんな高校を見ていく中で、これまで考えていた学校とは別の選択肢もあるという気づきがあったようです。いろいろな選択肢が見えてきて、それらを見定めながら進学に向けて頑張っていきたい、ということでしょう。
あとは、普通科に関しては、東村から行くには辺土名高校しかなく、沖縄の中南部にある他の学校に進学するとなると志願倍率がだいぶ高くなってきます。専門学科であればそうでもないんですが、普通科に行くなら今から目標をしっかり定め、このようなサービスを活用しながら準備する必要があると思っています。
ー では最後に、このオンライン学習塾サービスへの申し込み方法を教えてください
金城さん
はい、まずは私が勤務している東村教育委員会までお問い合わせください。最新の状況をふまえて詳細をご案内差し上げます。
ー 皆さん、今日は長い時間ありがとうございました。
金城さん、哲也さん、優楓さん
ありがとうございました。
【問い合わせ先】
東村教育委員会
0980-43-2130(担当:金城)