2018.2.2〜2.4実施沖縄本島うるま市の東南にある、平安座島、浜比嘉島、宮城島、伊計島は、海の上に作られた海中道路でつながり、自動車で各島まで渡ることができます。さらに近隣の津堅島を合わせた地域を、”うるま市島しょ部”と呼びます。住民は、漁業やもずく養殖、農業等で生計を立てて暮らしてきましたが、近年では過疎が進み、小中学校も離島の津堅島に1校と、残り4島の子供達が通う彩橋小学校の2校のみとなりました。この度、この島しょ地域へ住むことを想定した移住体験モニターツアーを沖縄県とうるま市で企画・実施しました。小さな学校・地域で子供を育ててみたい方、島暮らしに興味のある方等、3組9名が参加した本ツアー。今回は2日目をレポート致します。2日目①サトウキビ畑でハーベスター操作に挑戦!? 翌日の朝・・・あいにく風も強く曇り空のお天気でした。手作業によるサトウキビ刈り体験を予定していましたが、コンディションが良くないとのことで、取りやめに。その代わりにハーベスターという収穫機械が、サトウキビを豪快に収穫する様子を見学しました。手作業の何倍ものスピードで大量のサトウキビを収穫する姿に皆さん圧倒されていました。 収穫後はハーベスターにちょっとだけ乗せてもらい・・・気分はすっかり農家さん♪機械が入る広い畑であれば、最近では人手不足の解消と効率化のためにこのような機械による収穫が主流になってきているとのことです。島は、土地に限りがあり、これから移住してくる方が実際にサトウキビ農家を始めることは中々難しいかもしれませんが、住み始めて近所の農家さんと親しくなると、収穫時期にお手伝いする機会もあるかもしれませんね。また、沖縄の人々にとって、サトウキビは大変身近な農作物でもありますので、今回の体験は移住希望者の方にとっても沖縄の農業を近くに感じる機会になったのではないかと思います。②サトウキビジュース作りに挑戦! 宮城島区長 名護さんに、サトウキビ栽培についてや島のお話をして頂いた後、昨日訪問した児童館へ行き、収穫したサトウキビを絞ってジュース作りにも挑戦しました!子供さんたちに1本1本サトウキビを持ってもらい、絞り機に差し込んで汁を絞ってもらい・・・大きな鍋いっぱいのサトウキビ汁が取れました。それを屋外のガス釜で煮詰めます。最初はサトウキビの中の”アク”も含まれた緑がかった汁が、煮詰められていくうちに、美しい琥珀色へと変わって行きました。途中、何度か味見をしてみると、煮詰められるほどにどんどん甘く、コクが出てきました。名護さんのお話によると、バケツ鍋一杯のサトウキビの汁を、柄杓一杯まで煮詰めて行けば、純度の高い黒糖が出来るとのことでした。 ③午後は、平安座島で旧正月の行事を模擬体験! 沖縄のお盆やお正月では、旧暦に沿って独自の行事を行います。旧正月が近いということで、平安座島の旧家の一つである玉栄さんの”門中”であるお家にお邪魔をして、行事の意味や内容について教えて頂きました。門中とは、父系の血縁親族を意味するそうです。一族の仏壇を祀ったお家そのものは、信仰行事では重要な意味を持ち、家には大きな家系図や一族で順に行う宗教行事の当番がきちんと割り当てられて掲示されていました。旧正月には、家の外内を綺麗に掃除して、親戚が多く集まってご先祖様にお祈りを捧げ、皆さんでご飯を食べて過ごすとのことです。 また、旧正月の重要な行事の一つでもある、「ウビナディー」についても詳しく説明を頂き、その模擬体験もさせて頂きました。「ウビナディー」では、ユサンディガーという神聖な泉井へ参り、一族皆で子孫繁栄・無病息災を聖泉に祈願します。泉まで向かう途中にも、島に残る美しい沖縄のお家の数々を拝見し、魔物除けのヒンプンや、石敢當についても説明して頂きながら、島を案内して頂きました。旧正月という沖縄独特の過ごし方を体験し、また島を足で巡ったことにより、島の方々の工夫や生活が垣間見れたように思います。また宗教行事を今も大切に行っていることを知り、地域の方々と暮らしそのものへの敬意が湧いてきました。 ④地域の方々が大集合!先輩移住者も集った懇親会 夜には民泊先のお宅で、ツアー参加者さん、昔から地域に住んでいる方、先輩移住者さんも集まっての懇親会が開かれました。島には既に移住者の方が複数住んでおり、移住後海ぶどうの養殖をされている方や、お子さんを連れて移住された方、移住してまだ数ヶ月の若いご夫婦もこられました。ツアー参加者さんたちの島暮らしについての様々な質問に、皆さん大変協力的に答えてくださっていました。また、高校生による三線演奏も披露され、うるま市島しょの夜は、大変盛り上がりました!ツアー参加者さんにとって、また島の地域の方々にとって、良い出会いと交流になっていたらと思います。■おきなわうるま市移住体験モニターツアーレポート一覧はこちら