4月27日(日)、日本最西端にある与那国町の交流施設『とぅばるん※』で、地元野菜のマルシェと地域おこし協力隊の活動報告会が行われました。※とぅばるんとは、与那国の言葉で、「出会い」を意味します。 この日、マルシェの会場には、島の『交流シェア畑』で収穫された新玉ねぎや人参、カブ、ジャガイモがずらりと並びました。この畑は、地域住民と移住者が畑仕事を通じて交流することを目的に、与那国町の移住交流事業の一環として整備されたものです。普段、島では野菜の多くが船便で運ばれてくるため、新鮮な島産野菜はとても貴重です。当日販売された野菜は、詰め放題で提供され、マルシェのオープン早々に完売しました。(写真)形は不揃いでも、島の土と水、太陽で元気に育った野菜たちが並んでいました。 「たくさん採れた野菜をどう活用しようか?と、シェア畑に関わってくださった地域の方々と話し合って、マルシェのアイデアが出たんです」と話すのは、地域の移住コーディネーターとしてマルシェの準備を進めた川本さんです。「やると決まってからは、飲食店にも声をかけよう、日差しを遮るテントを張ろう、フリーマーケットもいいね…と、ものすごいスピードと実行力で準備が進み、わずか数日で開催にこぎつけました。地元の方から移住者の方まで、与那国島の人々のチームワークやパワーを感じました」と振り返ります。 飲食店も出店し、ラーメンや唐揚げ、コロッケといった親しみのあるメニューに加え、フィリピン料理やチャイなど多国籍なメニューも並びました。さらに、不要になった子供服やおもちゃなどを販売するフリーマーケットも同時開催され、会場は小さな子ども連れの家族、小学生、高齢者など、幅広い世代で賑わいました。人口1,700人の離島では、学校や住んでいる集落ごとに行事が行われることが多い中、こうして場所や所属に関係なく誰もが自由に参加し、買い物や食事を楽しめるイベントは、島の人々にとってほんの少し特別な一日となったようです。(写真)写真左:家族でラーメンに舌鼓。写真右:テントの下で、来場者さんたちで楽しげにユンタクする姿も見られました。写真提供/西村仁美 「マルシェには60名以上の方が来てくれました。私自身、すでに島の多くの方と顔見知りだと思っていたんですが、それでも会場で初めてお会いする方もいて。こういう楽しいイベントで知り合いになれるのは良い機会だなと思いました」と川本さん。さらに、会場では飲食店のオーナーと農家さんが出会い、島内で食材用の野菜を仕入れる話が進んだという声も聞かれました。こうした新たな交流の広がりが生まれたことに、川本さんも喜んでいました。 この日は地域おこし協力隊の活動報告会も開かれました。今年3月末で協力隊の任期を終えた川本さんは、移住者と地元住民の交流を深めるため、交流施設『とぅばるん』や『交流シェア畑』、収穫祭、今回のマルシェなどの企画・運営に携わってきました。任期終了後も与那国島で地域づくりや移住支援に関わっていきたいと話しており、これからの活躍が期待されています。(写真)写真左:協力隊活動報告会の様子。(写真提供/西村仁美)写真右:シェア畑で採れた野菜は、子ども会や保育園にも贈られました。また、マルシェの野菜売上は、赤い羽根募金に寄付されました。関連記事リンク2025.02.20| 地域の移住・交流取組レポート|与那国島「交流シェア畑」の冬の収穫祭が開催! 2024.11.11|地域の移住・交流取組レポート|与那国島「交流シェア畑」の収穫祭に地域の大人や子供が参加。畑で広がる交流の輪