石川県出身の西野さんは、子どもの頃の沖縄旅行で沖縄の魅力にひきこまれ、そこから移住を夢見るようになります。移住体験ツアーやワーキングホリデーを通じて、沖縄生活を疑似体験したのち、どのようにして今の東村での生活にたどり着いたのでしょうか。そして夢見た沖縄暮らしの現実は、いったいどのようなものだったのでしょうか。西野さんに移住までの経緯を振り返っていただきつつ、今の暮らしについても率直にお話しいただきました。 年遂に移住を決意!沖縄で知り合ったパートナーと暮らす中で気づいたやんばるの良さワーホリの期間が終了した後も、職場環境や知り合った人たちがとても良く、そのまま働きたいという思いが強くなり、勤務先も継続して雇用してくれるということになったので、そのまま道の駅に就職することにしました。ワーホリ中は期間限定で民家さんにホームステイ(民泊)をしていたのですが、継続雇用となったタイミングで家を探す必要がありました。これが凄く大変だったんです。。。地域の人の紹介で空いている家を探してくれたが、本当に見つからなくて。なので知り合いの家を短期間ずつ泊まりながら、転々とする生活をしていました。ただ、それ自体はとても楽しくて、結果的に知り合いが沢山増えていったことも、プラスだったかなと思います。最終的には家も見つかりまして、晴れて沖縄移住をスタートすることが出来ました。当初は永住するつもりまでは無かったんですが、沖縄で知り合った男性とお付き合いをし、結婚することになったので、今度は二人で暮らす家を探しました。一旦名護市に住んだんですが、都会的な感じが肌に合わず…やっぱり田舎に住みたい!と不動産サイトで家を探していたところ、東村にある移住住宅の情報が見つかったんです。とても家賃も安くて、ちょうど部屋が空いたタイミングだったので、東村に引っ越しました。その後妊娠、出産を経て、今は夫と娘と3人で、東村で楽しく暮らしています。東村の道の駅で、名産のパインを手に取る距離が近く、人の温かさを感じられる東村の生活東村に引っ越した当初は、引き続き大宜味村の道の駅で働いていたのですが、基本的にはレジ係でした。ただせっかく沖縄に移住したのだからいろんな仕事をしてみたいと思っていた時、東村役場で臨時職員の募集があり、応募したところ採用してもらいました。現在の仕事はふるさと納税の担当です。東村はパイン栽培が盛んな土地で、農家さんと仲良くなってみたかったので、自分から手を上げました。仕事内容はサイトからの寄付の受付や、農家さんを自分の足で回って、収穫時期である来年の夏に向けて出荷調整のお願いなどもしています。当初の想いどおり、農家さんとも仲良くなることができて、とてもやりがいを感じています。東村は、とにかく人が良い!というのが移住する最大のメリットだと思います。特に子育てがしやすいですね。どこに連れて行っても、知らない人が話しかけてくれますし、「抱っこさせて」と言ってきてくれます。近場の食堂で家族で食事していた時なんか、食べている間に店主の方が預かると言ってくれ、お願いしたところ、お店じゃなくて店主の家で面倒を見てくれていた、なんてことも。子どもは普段保育園に預けているのですが、保育園が本当に役場の目の前なので、仕事との両立がとてもしやすいのが大変ありがたいですね。子供の数も少ないからか、先生もすごくしっかり見てくれている感じがあります。今住んでいるアパートも子育て世代が多く、住民同士の交流もあるので、困ったことも相談しやすいです。子供たちもアパート前でみんな遊んでいるので、本当に環境に恵まれているな、と感じます。海がすぐ近くの自然豊かな環境でお子さんを育てる 移住に際して驚いた/苦労した点実は沖縄に来た当初、びっくりしたことをメモしていたんです(笑)なので当時の驚きは今もしっかり残っています!ワーホリでホームステイをした当初、「近所に挨拶していこう」と言われことと、挨拶の際に、人の家に勝手に入っていくことは一番の驚きでした。ただ、近所の人たちとの距離感の近さは、かなり感動しました。ギャップを感じたのは生活のテンポ、スピードですかね。石川や京都にいたころと比べて、すべてのペースがゆっくりでした。道の駅のオープニングまでの準備期間も、凄くゆったりしている時期と、開業が目の前までに迫って集中して仕事をこなす時期の差が、とても大きいかったことは衝撃でした。生活面で苦労していることは、買い物ですね。スーパーマーケットが地域には無くて、日用品の買い物は週末に名護まで行くことが多いです。あと夏の野菜の値段が高いのはとても驚きました。夏が暑すぎて、野菜が育たないみたいですね。移住してよかったと思う点もうありすぎるんですが、強いて挙げるなら「人」と「気候」かな。人については、「温かい」の一言に尽きます。知らない人でも話しかけてくる感じが私は大好きなので、これだけでも良かったなあと思います。気候も暖かくて大満足です。休日は海か公園に行くことも多くて、子どもにとっては相当良い環境だと思います。ただ、真夏は日光が暑すぎて、外に出せないのが難点でしょうか。あと、夫が沖縄の人で、実家もやんばるなので、より沖縄の文化に触れるようになったのも、とても楽しいですね。子供が1歳の時には、タンカーユーエー(※)という行事をやったり、しょっちゅう夫の家族と集まってBBQもしているし、色々な人と知り合うことが出来ているのは夫と出会ったからで、もし自分一人で暮らし続けていたら、きっとこうはならなかったと思うので、二人で暮らせているというのが、結局は沖縄生活が続いている一番の要因なのかもしれません。※タンカーユーエー:沖縄で行われる、1歳の誕生祝いの行事。子供の前に赤飯、本、お金、そろばん、筆と墨、はさみ、お金などを並べ、何を選ぶかでその子がどんな職業に就くのか、どんな人生を歩むのかを占う。前編を読む|年々増していく沖縄への憧れ。最初の出会いから、思いを抱き続けた20代 おきなわ島ぐらし|東村移住情報沖縄の先輩移住者インタビュー一覧へ