農業の輪

 公益財団法人沖縄県農業振興公社は、農業・農村が持続的に発展することを目指し、農用地利用の効率化、高度化の促進や農業基盤の整備、農業の担い手となる青年農業者などの確保・育成を促進するために設立されました。それらの活動を通して農業者の経済的な向上や社会的向上をもたらし、地域社会の健全な発展に寄与することを目的としています。

 当公社の組織は総務・担い手課、農地管理課(農地中間管理機構を指定)、畜産整備課の3つの課を中心に行われ、なかでも「沖縄県新規就農相談センター」を擁する総務・担い手課では、就農相談員が新たに農業を開始したい方々と相談するとともに公的情報を取りまとめて提供しています。

 沖縄県は離島県かつ島しょ性を有しているため、日本本土とは気候も風土も異なります。移住者が農業を始めるためにはさまざまな課題をクリアしなければならない現実があります。実際にどのような相談を行っているのか、また新規就農希望者へのアドバイスなどを沖縄県農業振興公社の久原さん、本村さんにお話を伺いました。

久原 一煕さん / 本村 隆信さん 公益財団法人 沖縄県農業振興公社

農業の輪 - インタビュー

久原 一煕さん / 本村 隆信さん公益財団法人 沖縄県農業振興公社
役職:(久原さん)副参事兼総務・担い手課長 /(本村さん)総務・担い手課(沖縄県新規就農相談センター) 新規就農相談員

沖縄で新たに農業をはじめたい新規就農希望者の強い味方

沖縄の農業と新規就農者の現状とは

沖縄の農業と新規就農者の現状とは

平成26年沖縄県青年農業者等実態調査によりますと、新規就農者数は360人で年々増加傾向にあります。その内訳は新規学卒就農者5%、Uターンの就農者が約16%、新規参入者が約72%の割合となっています。また年代別に見ますと、45歳未満の青年就農者が約66%、45歳以上の中高年就農者が約34%となっています。当公社の新規就農相談センターの相談実績においても、平成26年度は、延べ438人となっており、ここ5年間増加傾向の一途にあります。
この様な状況の中で沖縄県では、ゴーヤー、マンゴー、キク、肉用牛など「おきなわブランド」として全国に誇れる農畜産物が生産されています。一方、高齢化や後継者不足などが依然として進展し、新たに農業を目指す就農希望者を支援していくことが求められています。このため、当就農相談センターの取り組みとしては、日頃の就農相談活動を始め、年2回の就農相談会を開催するなど、新たに農業を始めたい方、独立就農を目指す方、農業法人などで研修したい方々を応援しているところであります。
就農支援に関しては、国、県、市町村など各方面から取り組んでおり、各種の支援制度も充実してきています。当就農相談センターでは各自治体や関係団体と連携を強化し、つねに情報収集を行い、必要に応じて提供しています。また、就農支援策の中から相談者に対応した制度の紹介も行っています。

移住者の相談をより有益なものにするために

当就農相談センターには、県内75%、県外15%前後の就農相談があります。以前は都会生活をやめて、田舎暮らしをしたいという相談も多かったが、現在は農業に魅力とやりがいのあるものとなるような農業経営を目指して、コンスタントに相談があります。相談される方々はそれぞれの動機があって相談されますが、農業経験者は少なく新規参入する方がほとんどであります。それ故に、農業の心構え、就農できるまでの道筋から相談を行います。当初から本格的に農業に取り組みたい方は、予め自分自身で調査などを行い、栽培品目、作付計画、経営計画、生活設計、研修計画、資金計画などの諸計画を立て、その上でわからないところを相談すれば話が進みやすいですね。
移住して就農を希望する方へのアドバイスとして、県をはじめ各市町村においては、目指すべき県づくり、市町村づくりの計画が策定されていると思います。あなたが住んでみたい移住地があれば、市町村受け入れ情報を調べたり、あるいは実際に短期間住んでみるのもひとつの方法だと思います。また、農業環境のほかに、教育環境や文化・風習など総合的に経験して、地域の一員として認められるように自助努力することが求められます。「まずは挨拶」からはじめてみてください。そして家族で移住される場合は、ご家族全員のリスクコミュニケーションをすることが大変重要だと思います。

総合相談窓口

 

漁業の輪

 沖縄といえば青い海を想像される方も多いかと思いますし、その海で「うみんちゅ」として生きていくことに憧れを抱かれる方も多いかとは思いますが、実際の所、移住の後に漁業を生業として生きていくことは出来るのでしょうか。

 JF沖縄漁連は、沖縄県内の各漁協と協働して経済活動を行い、所属している漁業者の生産効率の向上と事業の振興によって、漁業者の経済的社会的地位を高めることを目的に設立されました。その業務は振興計画策定・調査から資源管理、魚食の普及といった県全体で行うべきことをはじめ、漁業後継者の育成など多岐に渡っています。

 就業という観点でみた場合、沖縄県漁連は新規就業者の募集や各漁協への求人情報呼びかけ、研修設計などを行うのに対し、県水産課は県の漁業全体についての方針策定や支援、既に漁業者として活動されている方への支援いう形で分かれていますが、さまざまな局面で連動して業務に当たられているということでした。漁業への就業をとりまく状況について、おふたりに詳しくお話を伺ってみました。

與那覇 潤さん JF沖縄漁連 / 高橋晶子さん 沖縄県農林水産部

漁業の輪 - インタビュー

與那覇 潤さん JF沖縄漁連役職:漁政課 主任

 / 高橋晶子さん      沖縄県農林水産部     役職:水産課 栽培流通班 主事

漁業を仕事にするために計画と覚悟をもって臨んで欲しい

沖縄の漁業の実態について教えてください

沖縄の漁業の実態について

高橋:県の漁業の実態についてお話しますと、漁業を取り巻く環境は、決して良いとは言えないのが現状です。もともと日本全体で資源、つまり魚が減っていたり、漁獲量や燃料が乱高下したりと、収入・利益が安定しない仕事でもあるので、若手の離職・転職が多く、高齢化が進んでいます。沖縄の漁業の特徴として、台風が多いので、漁に出られる期間が短くなってしまいますし、漁獲物が多種少量であり、魚の生態に合わせ漁具や漁法を変えるなど経験や技術も必要です。本土から離れているので輸送面で時間・コストもかかります。また他国船が頻繁に近海に出没することによる影響もありますね。以上のような状況により、年々漁業の就業者は減っているのが現状です。

與那覇:一方で漁協や地域、魚種ごとによって状況は違っていまして、まぐろのはえ縄漁やソデイカ漁については人手不足が続いている状況です。漁協で言えばまぐろは那覇、ソデイカは与那原や糸満などですね。
また漁業者さんたちは漁協に雇われているわけではありません。彼らは個人事業主で、漁協は流通などを取りまとめているところです。漁協が募集をしているというのは、多くの場合漁業者さんたちが従業員として「弟子」を募集している、という形になるんです。

実際に漁業者になるためのステップとは?

與那覇:まずはフェアやネット、直接の漁協への問い合わせなどで求人を見つけていただきたいです。詳しい求人については「漁業者.jp」というサイトに求人情報を出してもらうよう各漁協に呼びかけを行っていますし、私たちも年に何回か東京や大阪で開かれる「漁業就業支援フェア」に出展して、漁協職員や漁業者と直接面談できる場も設けたりしています。
そして漁業者に「弟子入り」し、雇用という形で入ることになります。経験を積んで自信がついたら、独立するというケースもありますし、そのまま乗組員として従事するということもあります。いきなり自分で漁を始めるというのは難しいと考えてください。

高橋:我々がよく受ける相談の中に、「釣りが好きだから」や「副業として漁業を始めたい」というものがありますが、体力面も含め、趣味の延長や片手間では漁業技術を身に着けることが難しいですし、収入にも結び付きにくいです。

與那覇:また、独立して個人事業主となる場合は漁船の購入が必要となりますから、漁船購入にかかる費用もしっ かりと認識していただきたいですね。移住して漁業就業で生計を立てるには、それなりのリスクがあることを念頭においてください。
そしてそれらをクリアしたとしても、漁業はおそらく考えている以上に大変です。特に操業日数が長い漁は相当にハードなので、そのあたりの現実を先に知っておくべきですし、もし求人に応募する際も、雇用先となる漁業者さんとしっかり労働条件や独立に向けての展望など、きちんと話し合っておくことをおすすめします。

実際に漁業者になるためのステップとは?

最後に、漁業者になりたい人へ一言おねがいします

與那覇:漁業は体力的にもハードですし、技術を習得し独立するまでにはある程度時間はかかりますが、海が好きな方にはやりがいのある仕事だと思います。漁業を検討されている方は、求人情報の収集や漁業体験などを通じて、就業イメージをはっきりと具体化させることをお勧めします。本気で就業を希望される方には私たちもしっかりとサポートしていきます。

事業一覧

関連リンク

お知らせ

砂川葉子さん

先輩移住者インタビュー

砂川 葉子さん東京都出身(移住年:2001年6月)

自然とともに生きる喜び、島の人から教わる島暮らし

続きを読む

徳田泰二郎さん・優子さん

先輩移住者インタビュー

徳田泰二郎さん・優子さん職業:コーヒー農園
東京都出身
家族構成:妻

コーヒー栽培に挑戦しながら集落を支える拠点を担う

続きを読む

那覇市 (「那覇大綱挽まつり」の様子)

那覇市の基本情報

Facebook
沖縄移住定住に関する情報を幅広く発信中!